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壊れた脳 生存する知 [和書]

壊れた脳 生存する知

壊れた脳 生存する知

  • 作者: 山田 規畝子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/02
  • メディア: 単行本

医大在学中に一度脳出血に襲われたが後遺症はなくて卒業し整形外科医として病院に勤務。30歳で趙。まだまだこれからでも出来ることだよさんを出産し、33歳で父親のやっていた故郷高松の整形外科病院を継いで院長になったが34歳で脳出血に脳梗塞を併発。「高次脳機能障害」になったため、整形外科医はあきらめ、同じ脳障害を抱える患者のリハビリ医として愛媛県の病院に勤める。その後37歳で3度目の脳出血を起こし巨大血腫を摘出。自ら工夫したリハビリにより快方に向かい、今度は今治の老人保健施設の施設長として社会復帰する。
2回目の発症の後、時計の針の認識が出来なくなって、8時だと思って子供を朝4時に起こしてしまう。本を読んでいて、文字を順に追っていくことが難しく、1行が終わったら次の行に移るという当たり前のことが難しくなった。だから新聞のような記事の途中でどこか別の部分に続きが移るというのがルールになくて読めなくなってしまう。歯磨きのチューブで歯を磨こうとする。外から見ると病気だと思われないように振舞えるので、わざとおかしなことをする人とか、変な人と見られてしまうよね。だけどこの人が偉いのは、困難ならそれをがむしゃらに克服しようとするところだ。 本を読むのが不自由なら、繰り返しチャレンジする。 これが脳を刺激して、脳の中に新たな神経接続が出来てきて、だんだん出来るようになってくるんだ。人と会うことも難しくなるので、今度は子供を育てる勉強会をお母さんたちに提案し、皆で本を輪読する。著者は医者だから自分の経験でアドバイスも出来、おしゃべりによってストレスも解消される。人のいうことを理解して返事するということで脳もフル回転状態となってリハビリ効果がでる。
3回目の発症で今度は、ちゃんと飲み物や食べ物が呑み込めない、はっきりしゃべれない。物がもてない、左側に注意出来ないという、下手をすると病院に縛り付けられる状態になってしまった。それからがまた凄くて、子供を小学校に行かせながら、老人保健施設の施設長として復帰するのだから。
そんな状態で世の中を見るとバリアだらけであることに驚く。盲人のためのブロックで足が横方向にぐらつきバランスを失う。途中で切れた手すりで立ち往生する。
歩道は車椅子のためとしてスロープが付いているが、目が不自由な人には段差があったほうがわかりやすいと言われるように、人の抱える不自由の性質によってバリアの内容が変わるのだから、行政はいろんなタイプの人から意見を聞かねばならないのだということに気づかされる。


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