身がわり―母・有吉佐和子との日日 [和書]
有吉佐和子の娘有吉玉青が作家で母である有吉佐和子との日々を書いた本。 強烈な個性の有吉佐和子がその強い思い込みで子供を育てていて、娘自身はそれが普通だと思って育っているが、大きくなるに連れギャップを感じるようになる。 娘は自分より頭がいいのだ、という刷り込みで育ってきて、そうでもないときがついたときの著者の焦り。 大作家の娘だけど自分には未だ何もないという、これも焦り。 そこからイギリスに留学したり、後にニューヨークに留学したりするのだが、この本自身が著者の才能の表れだ。 途中物事に対する受け止め方が未だ若いと感じるところが出てくるものの、文章の巧みさには舌を巻く。 するすると読める文章なのに、微妙なニュアンスを書き分けて居て感心してしまう。
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